矢部宏治氏は、戦後の日本が事実上
「軍事主権」を持ち得ていない現実を改めて実証した。軍事主権を持たないとは「戦争を“しない”権利」すら持たないという事。それで果たして「主権」を持ち得ていると言えるだろうか。軍事主権を持たないのに、主権だけは持つという状態を想定出来るだろうか。勿論、そんな事は無理だ。そもそも主権自体を持ち得ていないならば、憲法の基本原理として喧伝されて来た
「国民主権」も絵空事に過ぎない。憲法が立脚するはずの「国民主権」が虚構なら一体、何の為の護憲か。しかも、国民主権を虚構たらしめている原因は、他ならぬ憲法9条だ。にも拘らず、護憲派はその9条に「指一本触れてはならぬ」と言う。護憲派は、わが国の「軍事主権(=主権)」がアメリカに奪わている状態を、いつまでも固定化したいのか。それは「平和と民主主義」を
売り渡す態度と言うべきだ。